「遠当ては宇宙を救う」武道家青木宏之の人生
武道家でもあり書家でもある青木宏之の人生訓。武道家の書いた本だと聞いて最初はちょっとためらいつつ読み始めました。けれどもページをめくる毎に引き込まれていきました。普通にOLの生活を送る自分にとっても遠い世界のことだと思っていた格闘技の世界が、身近なことに感じました。「遠当ては宇宙を救う」の項では、氏の開発した遠当てという手を触れずに人を倒す秘技についての説明。赤胴鈴之助の真空切りを例に出すなど、軽妙な語り口調は好感が持てました。普通「悟り」といえばお坊さんなどにしか関係ない話ですが、実は悟りのきっかけは日常的な生活の中にあるということ。現実の世界から離れず、すぐ側にある悟りに気づくことが大切と著者は訴えます。癒しがブームですが、ゆったりとくつろぐことだけが癒しに繋がるのではなく、切磋琢磨した人間関係がきっかけに癒されることもあるのですね。あと一章一章が短いので、通勤電車の合間など思いついたときにさっさと読めるのは助かりました。
君は島が見えるか
「人を育てる肥料は何か。それは「人間関係からくるストレス」。ストレスこそ自分を鍛えてくれると考えると、ストレスはストレスでなくなってしまう。」 「まわりの人には迷惑をかけないで、思いきり自由にのびのびやる。失敗したりついたり傷ついたりしたら、しっかりそれを自分の宝として受けとめる。」 こんなふうに、自分がもし悩みや問題を抱えていたら、この本にはその答えのヒントがいっぱいちりばめられています。 一番気に入ったのは、ある、いっさいの近代器具を使わず航海をした人の話を紹介した章で、 「(岸に立ち)君には島が見えるか」「(目を閉じて)見えるような気がします」「その島をしっかり見つめろ。その方向に必ず島がある」 というメッセージです。 あと同氏の「生きァ?日 輝く日」も、より一般向けで好きです。
「自然なからだ自由なこころ」のブックレビュー
本書は、現代武道新体道の創始者である青木宏之氏の「炉端談義」集である。武道家と言うから、突きとか蹴りとかの話を期待すると、あまりに雰囲気が異なるので驚く。実際はそういう話はほとんどない。それよりも、人間と自然との関係、イルカと触れ合い、国際関係、など文化人としての内容が多い。このあたりは、文学博士である氏の面目躍如の点なのだろう。「イルカのほほえみよ、再び」という章では、スキンダイビングで野生イルカと出会いそこから武道の組手の極意を悟る下りが描かれていたり、「春夏秋冬」という章では、いじめ問題・ダイオキシン・環境運動などについての考えをぶつなど、いわゆる武道家のイメージとは大きく異なり、「思想家」と表現した方が、適当かもしれない。 なお、書家としても名高い氏の書が数点扉絵として使われいるのは、ちょっとお得。
春秋社
新体道―智慧をひらく身体技法 「新からだ主義」宣言―「体の知恵」で心を癒す 響きあう脳と身体 (木星叢書) 薄氷の踏み方 ぷるぷる健康法―体を振動させてやせる・美しくなる
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